制限外積載許可は、たとえば屋根材や電柱など、車両の長さや幅を大幅に超えるときに必要となる許可です。
ほとんどの場合は特殊車両通行許可の許可をとり、そのうえで出発地を所轄する警察署に申請します。
ここでは、制限外積載許可の書き方や申請の仕方を紹介しますが、その前にできれば制限外積載許可の全体像を理解することをお勧めします。
を読んでいただくと、より一層理解が深まります。
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所轄の警察署とは?
所轄する警察署とは、例えばわたくしの事務所のある東京都港区西麻布であれば”西麻布 警察署”と検索すればトップに出てくる警察署がそこです。
なお、制限外積載許可は各警察署によるローカルルールが多く、最終的には各警察署に確認したほうがいい場合も多いので、必ず申請する前に確認してください。
なお、東京都の場合ですが、制限外積載許可はこちらをダウンロードして使ってもらっても大丈夫です。
申請者の記入
まずは表題の部分ですが、申請者がよく間違えられるのですが、制限外積載許可は会社の名前とか社長の名前ではなくて、実際に運転するドライバーさんの名前で申請します。
そのためドライバーさんの住所と名前で申請することになりますので注意してください。
また、左上の警察署長のところは所轄の警察署の名前を記載すれば大丈夫です。この場合は”麻布警察署長殿”と記載します。
また、中央上部のところはとくにいろいろ考えずに”制限外積載”をマルで囲みましょう。印鑑は、認印(三文判)で大丈夫です。
免許の情報を記載する
次に、申請者(ドライバーさん)の免許証の情報を記載します。
免許の種類は”大型一種”などと具体的に記載します。もちろん車両を運転できない免許の場合は記載できません。
免許証番号は下の赤枠の部分を記載してください。
車両の種類は”大型貨物”などと記載してください。番号表に表示されている番号とは車体ナンバーのことです。
車両の諸元の記載
次に、車両の長さや幅などの諸元を記載します。ちなみに諸元は”しょげん”と読みます。
なお、ここでは車検証をもとに長さや幅、高さを記載します。
運搬品名は、屋根材や電柱などと具体的に記載します。
積載物の記載
次に、実際に積載するときの外観を想定し、どのように積載するかを記載します。
制限を超える大きさ又は重量は、実際に超過する長さを記載します。例えば長さ12メートルの車両に16メートルの電柱を積載するときは4メートルとなります。
実際の制限の要件は、こちらを参考にしてもらいたのですが、もちろん制限外積載許可でも積載できないもの(許可要件を超えるもの)は受理されません。
制限を超える積載の方法は、例えば積載する概略をイラストして、それをもとに記載します。
例えば↑のような場合ではみ出している部分が2メートルだとすれば、”後”のところに2メートルと記載します。
↑のような場合で前後それぞれ1メートルずつ超える場合は前、後ろをそれぞれ1メートルと記載します。
設備外積載の場所と荷台に乗せる人員
設備外積載の場所は、実際に積載する場所を記入します。会社の車庫であれば住所を記載し、”○○車庫”とでも記載すればいいでしょう。
荷台に乗せる人員は、ほとんどの場合は記載しなくても問題ありません。
許可の期間などの記載
運転の期間は、実際にその経路を運転する期間を記載します。ここはあまり長すぎると嫌がられますのでできれば最小限の期間を記載しましょう。
いつまでになるかわからずにできるだけ長い期間を記載したいという気持ちもわかりますが、経験上1か月を超えると嫌がられますし、最長でも3か月程度をめやすにしましょう。
出発地、経由地、目的地は具体的な住所でもいいですが、○○市レベルの記載でも大丈夫です。
通行する経路は、おもだった道路を記載しましょう。
例えば
国道464号~国道254号~〇〇県道100号
と記載します。
必要書類
ここまで記載すればあとは必要書類をそろえて提出するだけです。
必要書類は、この申請書以外に
特殊車両通行許可証のコピー
運転免許証のコピー
車検証のコピー
荷姿図
経路図
等になります。荷姿図は簡単なイラストで大丈夫です。たとえば下のようなものでも問題ありません。
また、経路図はグーグルマップを印刷し、そこに手書きでもいいので経路をマジックなどで記入すれば大丈夫です。
グーグルマップは経路を自動的に記載されるのでこのまま印刷してもいいでしょう。ただし、特殊車両通行許可の経路と一致していなければなりません。
許可までの期間は?
ここまで記載して、警察署の窓口に申請します。
多くの場合は1階の一番目立つところに”道路使用許可”とありますのでそちらが窓口になります。
多少のダメ出しはあるかもしれませんので修正用の印鑑を持って行ったほうがいいと思います。
無事に受理されると、おおむね、なか2~3営業日で許可になることが多いようです。
いかがでしょうか。制限外積載許可は、なかなか参考になる情報も少なく、どうやって記載していいかがわからないという質問も多くいただきます。
もちろん行政書士に依頼しても大丈夫ですが、それではコストもかかりますし、もったいないと考える人も多いと思います。その場合はぜひご自身で記載して申請しましょう。